dawn

光射す夜明けと目覚めを待ち望む

まぶたのとばりに灯る輝きをおもう

 わたしの心臓が動きを止めた。愛し、愛されていたと思う。かくも愛しい区切りを迎え、笑顔でその姿を消した。
 ──名は、アイドルステージ。不滅のアイドルたちに出会った愛しい記憶を、わたしの人生にあらわれたかけがえのない幸いを、ここに記したい。

 

※AW壊したり守ったり雑です

 

ドルステとの出会い

 あの頃、わたしは現実世界のアイドルに何ら興味のないオタクだった。最初の出会いは、キンブレを貸したことだ。何を観に行くのか説明してもらった時、AWのことをうまく理解できないわたしは疑問符を浮かべていた。もっぱら二次オタであったものだから、のちのちそのコンテンツにお邪魔するとは考えもつかなかったのだ。
 しばらくして、周りの友人が次々とドルステに落ちていった。わたしは、その姿を他人事のように指さして笑っていたのだ。事実、ひとごとであった。後日、何の気なしに同席した鑑賞会で崩れ落ちるまでは。
 比喩ではなく、実際に崩れ落ちてしまった。色々恥ずかしいので詳細は割愛したい。ともかく、運命はいつも突然なのだ! だから、迷う暇もない。それからは、ぷれみかちゃっくの映像を見せてもらったり、購入したり、現場に足を運んだりして過ごした。

 火星人マルくん、火山武くん、中尾暢樹くん。あなたたちとの出会いが、わたしの歩む道筋をおおきく変えてくれました。踏み入れるはずのなかった地でまばゆい光を見出したのは、間違いなくあなたたちが出会ってくれたから。
 一番星を見つけた。「一番好きなアイドルはだあれ?」そう聞かれたら、わたしは絢瀬絵里でも、漣ジュンでも、鷹城恭二でも、大神カイトでもなく、火星人★マルと答えるだろう。
 私の世界を広げてくれたアイドルステージが、好きだ。きらめく星々の世界へと手を引いてくれた。

 

はじめての現場

 初現場はドルフェス2015だった。リボンの友人と、たびたび「全通してよかったねえ」と話題になる。夜中にプレ◆5Twitterへ投稿された内容はこのためだったのだと、涙ぐむ友人の姿が忘れられない。しかし、まさかこの日がマルくんとの別れになるなど考えてもいなかった。もっと早く興味を持っていればと唇を噛んだ経験は数えきれない。それでも、Tシャツをつくったり、モチーフアクセサリーを集めたり、はしゃいだあのときを愛しく思う。
 とても楽しいものだったから、ぜひDVDで観てほしい。わたしが多くを語るより、きっとその目にしていただいた方がずうっとうつくしいから。

「絶対絶対! 大きくなって戻ってくるから! みんな楽しみに待ってろ!」
 2015年のあの日、ヤマトは自信ありげな様子でそう笑った。そうして、暗闇に溶け込み消えていったのだ。友人のためにも、数多のリボンたちのためにも、嘘にならないでほしい。ずうっと、そう願っている。

 

いちばんのおもいで

 たのしかったこと、マルくんがかくれんぼしたのちも想定外に通ったことなど、思い出はたくさんある。特筆するなら、なんだろうか。そう考えた時、すうっと頭に浮かんだことはひとつだった。
 何よりもうれしかったのが、E.T.L extraだ。かくれんぼをしているマルくんがいてくれるとは思いもしなかった。アルタイルで号泣し、物販でバイトするお友達に目を丸くし、ゲスト回以外で頻繁に登壇する星乃さんを心配したり、古谷さん崎山さん暴走ペア回のめちゃくちゃさに笑った。ゲストでないはずの星乃さんが回していた暴走ペア回の衝撃が強く、この回だけ異常なほど記憶に残っている。ホワイトソースがいっぱいだとうれしいなあ!(?)

 初日、わたしは横浜にいた。ゲスト回だけ友人とのんびり行けばいいと考えていたのに、7割ほど行ったようにおもう。お友達の出演する作品における真夏の舞台挨拶タイムアタックで脳をやられていたので仕方がない。
「火星が呼んでる」
 呼んでいるわけがない! しかし、わたしは繰り返し導かれるように横浜へ足を運んだ。そうだ。運命は突然だから、迷う暇時間もないのだ。だって、火星のお芋はおいしいし。
 ゲストがいるか否かはどうでもよかった。いま、このとき、マルくんがいる! それだけのことが、とてつもなくうれしかったから。だって、マルくんが参加しているのだ! あのときマルくんが出演したE.T.L extraはわたしのたからものだ。お友達が沈黙を貫いても、TwitterでCUFをフォローできなくても、じゅうぶんに伝わる。それがかすがいだった。(あの頃お友達のしっかりした姿ばかりみていたから、DVDの末っ子ぶりもうれしかった)

 

愛込め、ファンミによせて

 わたしが多くを書くと、野暮になってしまう気がした。
 すてきなストーリーと、演出と、音と、曲と、歌詞と、さまざまな全てのものが愛にあふれていた。さみしさがありながらも、充足感に満ちていたように感じる。涙は出るけれど、悲しくはならなかった。
 間接的に、我々にたくさんの愛を伝えてくれた。わたしたちの気持ちを全力で代弁してくれた。限られた時間の中で、コンテンツの特性を活かしたやさしいおわりだったとおもう。あなたのかわりはあなたしかいない。証明するかのように流されたアイドルたちのメッセージ。こうして、言葉以外でも示してくれることの尊さを噛みしめている。

 メンバーが抜けることで、6人の血の雨と無知から5人のプレゼント◆5となり、4人のフルムーンから3人の三日月となった各グループ。それぞれのメンバーがプロデュースするアイドルに人員追加され4人のフルムーン(プライムーン)、5人のGS382となった。
 なんて綺麗な終わりだろうか。終わりは始まり、円環なのだ。たいせつにたいせつに愛しているのだなあと、涙がこぼれた。きっと、いつだってはじまりはそこで待っている。これだけ素敵なものが何も残らないというのは、あまりに損失がおおきい。あたらしいすがたも、もっともっと目に焼き付けたい。できれば、あたらしい機会も欲しい。どうか、この願いが実を結ぶ日を夢見させてほしい。

 

おわりは、はじまり

 くりかえし配信映像を見て、気付いたことがある。考えすぎかもしれないが、自分のために残しておきたい。

「これからも、あなたの光で僕を照らしてください」
 明くんが、これからを、未来を背負って姿をあらわした。「未来にだって連れていける」と、あかるい予感と共に。未来が怖いと思考停止するわたしたちを溶かしてくれた。穏やかな雰囲気の彼自身が、夜明けをもたらす柔らかな朝日のようだ。

「そんな顔しないで! みんなの笑顔を見たくて、ここに立ってるんだから!」
 宵くんは、慈しむような表情でそう笑った。終わりへと向かう道行に光を灯してくれた。暗闇にも消えない輝きをくれた。はつらつとしたふるまいと優しいまなざしが印象的な、彼らしい言葉だった。

「今まで僕たちを愛してくれて、本当にありがとうございました!」
 のんちゃんは、曇りのない瞳で告げた。今までの愛すべき日々を肯定し包んでくれたのだ。佇まいでさえ愛らしいというのに芯のあるしっかり者な側面を兼ね備えた、彼に似合う言葉だった。

「あの日、俺を見つけてくれてありがとうございます」
 朔くんは、確かにそう語りかけた。涙が溢れた。わたしたちの道が交わったはじまり日を、かけがえのない大切な宝物にしてくれた。ともすれば、愛を告げる要さまと同じ色を担った朔くんがもたらす、特大の愛なのではないか。暗闇にも消せないぬくもりを残してくれたのだ。これほど素敵な言葉をもらってもいいのだろうか。

 最後の日に彼らは、始まりを、過去を、終わりゆく現在を、未来をすべてを大切にしていると示してくれた。たしかに、愛し愛されているのだと思う。「アイドルはみんなの憧れ 憧れられたら嬉しい 君がいてよかった」という歌詞を浴びた時に負けない感覚だ。こんなに愛のあふれる、アイドルとファンをたいせつにしてくれるものに出会えたことが、心からうれしい。

 記しておきたいことが、もうひとつある。GS382のカラーがアキラを抜いたプレ◆5のメンカラであると気付いたときの衝撃は筆舌に尽くしがたい。ファンミで6人の空に落ちるを目にした時、チャームであるというのにとめどない涙をどうすることもできなかった。ドルフェス2015で見せることのできなかった姿を、異なった形で見せてくれた! そう、信じている。

 立ち止まる時に、未来に向かう約束をくれた。果たせなかった夢を見せてくれた。おかしいな、まるであのステージこそが夢みたいだ。なんでも叶うような、そういうやさしいおわりをくれたのだとおもう。

 

まぶたのとばりは、愛しく優しい

 ありがとうと伝えたいのは、こちらの方だった。マルくんと出会えていなかったら、わたしはこんなにも愛のあふれるものを知らずにいた。なんて、さいわいなのだろう。このさいわいにふさわしい言葉がみつけることができない。だから、ありがとうと伝えたいのだ。
 ありがとう、アイドルステージ。何もかも愛してる。いつか起こしてもらえる日を夢見て、わたしは眠りにつくのだろう。でも、どうかな。一橋キリコくんの活躍を映像に残してくれないと、夢見が悪くなりそう。だから、もうちょっと起きていたいなあ。

 マルくんは元気だろうか? かくれんぼを飽きもせず続けているのかな。ああ、火山くんは、どんな道を歩いているのだろう。笑って、元気でいてくれるといい。そうだな、いつかきっと知りたい。みんなが笑いながら、どう過ごしていたのか語らう姿を目に焼き付けたいと朧気に思う。夢のあわいで願うから、ないものねだりを許してはくれないだろうか。

 あたたかな目覚めをもたらしてくれるであろう彼らを、何時いつまでも、永遠に想う。ささやかな愛が、何らかの形で実を結ぶことを願う。ずうっと、ずうっと待っている。明日が遠くても空を見上げる。みんながいてくれたから気付いた。歩く道のりは同じ夢なのだ。いつまでも忘れない。こんなにも愛していて、愛されているから。

 アイドルは不滅! アイドルは最高! 大好き!
 それでは、みなさん。おやすみなさい。色とりどりの輝く愛をまぶたのとばりに灯して、良い夢を。